幸者堂

エンジニアに求められるものについて

2026/03/10


Abstruct

ITエンジニアに求められる能力について、最近話題に上がったので健忘録として書き残します。

求めれる力とは

本文

エンジニアとは理工学といった知識を用いて、物やシステムを作る人のことを指します。 例えば私たち情報出身の人間であれば、情報理論やアルゴリズムとデータ構造、コンピュータアーキテクチャ、最適化論などを用いて有用なシステムを作っていますね! 課題から解決方法を導き出し、それを実装する。それがエンジニアの仕事というわけです。

当然ですが、いつも必ず課題が明確というわけではありません。有名な逸話にフォードの話があります。フォードとは米国の自動車会社の創業者で、初めて安価な大衆車を大量生産した人物として知られます。 彼の金言に「もし人々に何が欲しいか尋ねたら、彼らはもっと速い馬だと言っただろう」というものがあります。 与えられた課題は「速い馬が欲しい」。これをそのまま受け取れば、エンジニアは速い馬を見つけに行くなり育てるなりをしていたことでしょう。

ここで大切になってくるのが本質を見抜く力です。 「Aが欲しい」という相手の言葉がそのまま本当に何が欲しいかを正確に表しているとは限りません。むしろそうでないことの方が多いでしょう。 本質を見抜くためには、辛抱強くヒアリングして、全体を理解する必要があります。 会社や顧客の目標を理解した上で、あらゆる選択肢を吟味、提案し、そして課題・実装を行う。これが重要なのでしょう。

皆さんは 例としてpalantirという会社をご存じですか? この会社は組織内に散らばったデータを統合して、“現場で使える意思決定・業務実行”までつなぐデータ/AIプラットフォームを提供しています。 元々は軍事産業にて、衛生、航空機、軍艦、基地、歩兵など様々なデータを接続して作戦立案などの意思決定のシステムを提供していたそうです。これを一般の会社にも拡張したというわけですね。

彼らのすごいところはコンサルだけでなく、システム構築だけでなく、全部やるところにあります。そう、全部。 企業の内容を現場で把握して、欲しいものを見抜き、組織内で散らばったデータを整形し、そしてシステムを実装しているのです。

私たちはこのビジネスモデルに倣って、単に言われたことをやるのみではなく、積極的に要求されている物事の本質を理解し、課題を見出し、それに対応する打ち手を選択し実装する必要があると思います。なぜなら近年のClaudeやGPTのようなLLMが人間以上に優秀になってきているからです。 「Aが欲しい」と言えばLLMはすぐにそれに対応する実装を提供してくれます。 であれば、我々が戦うべきところはそこではないのでしょう。

私たちが戦うべき領域とは「根気強く対話を重ねて事業内容を理解し」、「事業の本質を見抜き」、「あらゆる技術スタックの選択肢から適切なものを選択する」点にあると思います。 フォードの例で言えば、顧客が本当は馬ではなく高速な交通手段を求めていることを突き止め、次に車を安価にすることが課題の本質だと見抜き、そしてあらゆる生産手段を吟味し、工場生産ラインの最適化を実装することが私たちがするべきことなのでしょう。

定量的な世界でAIに勝つことは難しいでしょう。であれば、我々は定性的な領域で勝負するしか生き残る道はないと思うのです。